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執筆者の写真沢田陶歩

コンサート

コンサートに行って来ました。Sir Andras Schiff のソロ・ピアノリサイタル。


氏のピアノは、家にあるCDを聴いてからの大ファンで、ファン歴も


かれこれ30年ほど。リサイタルはソロとご本人の楽団との演奏を合わせて


5~6回目でしょうか。


今回は事前に演奏する曲を決めずに、ステージ上で弾く曲を決めるというもの。


作曲家は決まっていて、バッハ・ハイドン・モーツァルト・シューベルトの


言わば大御所。どんな風に展開して行くのか、とてもワクワクしました。


一曲目はバッハのゴールドベルクのアリア。


なぜアリアが一曲目なのか・・・少々戸惑っておりました。


演奏後、氏は「今回、この曲で始めた理由は、アンコールを弾かないから。


なぜなら最終曲を演奏後、その余韻と共に幕を閉じたい。


アンコールの代わりに。」との説明。


最終曲の余韻と共に・・・は、分かる気がします。


今回のような演奏スタイルを選ばれたのは、パンデミックがあったから


だそうです。演奏する機会を失い、クラシック界の未来を想い


若い人々を惹きつける形態を生み出して行かないといけないと考えてとのこと。


クラシックファンからすれば、最初からプログラムが発表されていることが


当然で、その曲を目当てに聴きに行くこともしばしばですが


よく考えてみれば、他のジャンルのコンサートでは、全てがきっちりと


決められ、予め演目が伝えられている方が少ないかも。


確かに、サプライズ感・ライブ感満載で、通常のクラシックコンサートに


比べると、お祭りを楽しむような雰囲気がありました。


演奏は全曲、もの凄い想いが込められ、氏の語りを聴いているようでした。


一曲一曲の余韻が美しく、聴衆の誰一人として、早過ぎる拍手をしなかった。


最後は総立ちの中、何度もステージ上に戻り、ゆっくり深々と


挨拶をされていました。


素晴らしいリサイタルでした。感謝です。

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