コンサート行って来ました。かの、あの、ウイーンフィルの若き
コンサートマスター 樫本大進さんのソロ・リサイタル。
過去5年ぐらい、日本公演のチケット争奪戦に挑むものの
見事に撃沈。
今回は運よく、ポツンと一席だけかなり良いお席が空いていて
Getできたというものです。奇跡的!
2月の始め、寒い日でしたが、期待と緊張とが混じり合った
熱い心で出掛けました。
いよいよ開場し、爽やかな笑顔で登場された樫本さん。
バイオリンを構えたとたんに、キリリッと厳しい表情になり
演奏が始まりました。
その音色といったら!とにかく美しい。
なんというか...極寒の真冬の、痛いと感じるほどの冷たい空気に
ピンッとひびが入るようなイメージ、とでも表現しましょうか。
透明感溢れる澄んだ音色で、のびやかで力強く、それでいて優しい。
瑞々しく、はち切れんばかりのエネルギーを内に秘めた
素晴らしい演奏でした。
ただひとつ、あくまでも個人的な感想ですが
もの悲しさを感じることが出来なかった。
長調の曲でも、なぜかどこか哀しい憂いのある音色を奏でる奏者が
あり、そういう音色に心が魅かれます。
しかしこれは、良い悪いでは無く、好き嫌いの問題ですね。
帰り道、後ろに居られたご高齢のご婦人の会話が聞こえてきました。
「確かに良い演奏だった。けど、涙が自然と溢れるような
そんなところが無いのよね。まだ若いからかな。」
好みの音色が、私と似ている方なのでしょうか。
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